”玉突き事故”の場合の過失割合
7月7日午前10時半ごろ、鳥取県米子市陰田町の国道で、観光バスとトラック3台など計5台が衝突する玉突き事故が発生しました。
県警米子署などによりますと、バスの乗客ら計12名が病院に搬送されたとのことです。
こういった、いわゆる”玉突き事故”が発生した場合、それぞれの自動車の過失割合はどのように決まるのでしょうか。
事例を簡単にするために、A車(先頭)、B車(2番目)、C車(3番目)のケースを検討してみます。
まず、
「信号などで停止中のB車にC車が追突したケース」
では、過失割合は0対100です。この場合、B車の損害とB車に乗っていた人のケガを賠償しなければなりません。
次に、
「B車が急ブレーキをかけたことが原因でC車が追突したケース」
の場合、B車が適切な運転していなかったことも原因となりますのでB車にも過失が発生します。この場合、標準的な過失認定基準では30:70の過失割合が認定されます。
3台がからむ交通事故
次は3台がからむ交通事故の場合です。
「通常走行中に、まず、B車にC車が追突し、その結果、押し出されたB車がA車に追突したケース」
の場合、基本的には、C車が、A車とB車の損害と、それぞれの車に乗っていた人のケガについて100%賠償しなければなりません。
B車はともかくとして、A車についてもC車の追突がなければA車の損害もなかったわけですから当然と言えば当然です。
では、
「B車が急ブレーキをかけたことが原因でC車が追突し、その結果、押し出されたB車がA車に追突したケース」
はどうなるでしょうか。
B車とC車の関係では、標準では過失割合は30:70となりますので、B車の損害についてはC車が30%分を差し引いて賠償することになりますし、C車の損害についてはB車が70%分を差し引いて賠償することになります。
ここで、A車の損害についてですが、A車が通常走行をしていたのであればA車に過失はありません。この場合、A車にとっては、B車とC車の過失によって共同で起こした事故(共同不法行為)となりますので、どちらもA車の損害を100%賠償しなければなりません。
B車とすれば「30%分しか責任はないのだから、A車の損害も30%分しか賠償する必要はないはずだ」となりそうですが、無過失のA車にとってみれば、B車とC車の両方の過失によって損害が発生したわけですから、そんな言い訳は通用しません。
B車もC車もA車の損害の全額を共同して賠償する責任があり(A車がダブルでもらえるわけではありません。どちらかが100%賠償すればおしまいです)、あとは、どちらかが賠償したA車の損害分を、B車とC車が内部で精算する関係が残るだけです。
なお、仮に、A車にも過失があった場合は、A車の過失割合分を差し引いた損害分をB車とC車が共同して賠償し、あとはB車とC車間の精算となります。
このように、”玉突き事故”の場合、①まず、1番最初の原因となった車を特定し、②その車が最初に損害を発生させた車(前の車、または後続車)との過失割合を認定し、③その後、前後の車の過失割合を一つ一つ認定していくという方法で、それぞれの過失割合を確定していくことになります。
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