頼りすぎると危険!自動ブレーキについての理解を深める
近年注目され続けている自動ブレーキ。
障害物を検知しブレーキが自動で作動するというものですが、
安全性、機能はいかがなものなのでしょうか?
去年あたり、自動ブレーキ搭載車の試乗会で人身事故が起きるというニュースがありましたが、
原因は車ではなく、従業員の説明不足。
自動ブレーキが作動するスピードを超過してしまい、自動ブレーキが利かずにフェンスにぶつかってしまったようです。
このように、自動ブレーキといえど様々な制限やメーカーごとに特徴があり、
こういったことは運転手が必ず理解しておかなければなりません。
こんなに違う!種類別に見る自動ブレーキの機能
自動ブレーキが障害物を検知するセンサーによって、機能は大きく異なります。
センサーの種類は、赤外線レーザー、カメラ、ミリ波レーダーと大きく3種類に分けることができます。
それぞれの種類ごとの特徴を見てみましょう。
– | 赤外線レーザー | カメラ | ミリ波レーダー |
---|---|---|---|
人間・自転車の認識 | × | ○ | × |
遠距離 | × | × | ○ |
悪天候 | × | × | ○ |
夜間 | ○ | × | ○ |
コスト | 低 | 中 | 高 |
赤外線レーザー
3種類のセンサーの中で、最もコストが低いのが赤外線レーザーです。価格は約4~6万と言われています。
デメリットは障害物を検知する距離が短く、自動ブレーキが作動する速度は時速30kmが限界とされています。
CMなどでよく耳にする、”フォルクスワーゲン「シティエマージェンシーブレーキ」”や”ダイハツ「スマートアシスト」”などが赤外線レーザーを採用した代表的なシステムです。
カメラ方式
自動ブレーキのカメラ方式は、映像から障害物を判断するというもので、この3種類のなかで唯一人間や自転車の検知が可能です。
価格は7~10万円ほど。
カメラ方式には「単眼」と「複眼(ステレオ)」の2つのタイプがあり、ステレオは複数のカメラが設置されており、
障害物の種類や距離をより正確に見分けることができるため、単眼よりもずっと高性能と言われています。
スバル社の”アイサイト”は、ステレオカメラ式を採用した代表的な運転支援システムです。
前方車両のブレーキランプや赤信号、走行車線の白線が認識でき、65km以下の時に自動操舵をも行うそうです。
ミリ波レーダー
ミリ波レーダー方式は、電磁波により反射波から障害物の有無を判別します。
価格は10万円以上で、3種類の中でもっともコストが高いです。
照射距離は100m以上とかなり遠方の障害物を検知でき、速度域の高い状況で高い信頼性を得ています。
デメリットは人間の感知に弱いことですが、ボルボの「ヒューマン・セーフティ」は、カメラとミリ波レーダーを組み合わせた複合型であり、カメラとミリ波レーダーの弱点を克服したシステムと言えます。
参考URL:EUは商用車に義務化 日本メーカーの自動ブレーキの仕組みと現状は? | THE PAGE(ザ・ページ)
世界で義務化が進む自動ブレーキ
日本では、まだまだ自動ブレーキに対する安全性が疑問視されている現状がありますが、世界では自動ブレーキの普及に向けた取り組みが進んでいます。
事故の多いトラックなどの商用車は自動ブレーキの義務化が進んでいる!
EUでは2013年11月より全ての新型商用車に対して自動ブレーキの搭載を義務付け、2015年11月には新型だけでなく全ての商用車(継続生産車)に自動ブレーキ搭載の義務化が拡大されます。
日本でも1年程遅れを取っていますが、2014年11月から新型の大型トラック・バスに対して自動ブレーキ搭載の義務化を、2017年11月から継続生産車への適用を行うとしています。
米国が全ての新車に自動ブレーキ標準装備への動き!
2015年9月11日、米国で全ての新車に自動ブレーキを標準装備することをトヨタ自動車をはじめとする日米欧の大手自動車メーカー計10社が合意したとの発表があったようです。
具体的な時期などは今後詰めるとのこと。
商用車だけでなく、乗用車にも自動ブレーキが当たり前になる時代も、そう遠くは無いのではないでしょうか。
参考URL:自動ブレーキを標準装備に トヨタなどが米当局と合意|産経ニュース
決して頼ってはいけない自動ブレーキ
自動で停止するからといって、自動ブレーキに頼った運転をするのは絶対に危険です。
むしろ、運転をするときは自動ブレーキのことは忘れた方がいいです。
例の米国での自動ブレーキ標準化については、 “事故による死傷者数を減らすのが狙い“としています。
事故は起きたとしてもなるべく死傷者を減らそう、という意味が汲み取れます。
つまり、自動ブレーキは事故を起こさないようにするものではなく、事故の被害を最小限に抑える事が目的であり、事故を起こさないためにはやはり運転手の注意が不可欠となります。
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