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交通事故の過失割合は誰が決める?

交通事故に遭って、相手の保険会社と示談の話をしていると、過失割合という言葉が出てくると思います。この過失割合とは、どのように考えればいいものなのでしょうか?

交通事故の過失割合とは?

過失とは、注意義務違反のことであり、注意義務には、結果を予見することが可能である場合にこれを予見する義務(結果予見義務)及び結果が回避可能である場合に、結果を回避する義務(結果回避義務)があります。

交通事故が起こったときに、100%加害者が悪いということもありますが、被害者の側にも、落ち度がある場合もあります。そのようなときに、どのように損害を分担させれば公平なのか?という観点から、過失割合という概念があります。

過失割合は、相手の過失が増えると、自分の過失は減る、自分の過失が増えると相手の過失が減るという関係にあります。例えば、被害者の過失が20%であれば、加害者の過失は80%になります。被害者の過失が40%であれば、加害者の過失は60%です。

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過失割合はだれがどのように決める?

交通事故は、全国でたくさん発生しています。そのため、事故ごとに1から過失割合を話し合って決めるのは、保険会社としても対応が追い付かないでしょう。また、同じような状況の事故なのに、事故ごとに過失割合が全く違うというのは、平等の観点からも問題があります。

そのため、東京地方裁判所の民事交通訴訟研究会が、別冊判例タイムズ38号という本を出しています(なお、平成26年に改訂版が発行されるまでは、別冊判例タイムズ16号が利用されていました)。この本には、交通事故の類型ごとに、加害者と被害者の基本の過失割合が掲載されています。保険会社も、弁護士も、裁判所も、まずは、この本を利用して基本の過失割合を調べます。

しかし、交通事故の態様が変われば、適用される表が変わります。

例えば、青信号で横断歩道を歩いていたときに、右折してきた自動車に衝突された場合、別冊判例タイムズ38号【12】によって、歩行者の過失は0です。自動車の運転者が100%の過失責任を負います。

しかし、例えば、歩行者が横断歩道にたどり着く前に青信号に変わったため、横断歩道の上を歩かずに、横断歩道の前後で道路を横断するということもあります。この横断中に自動車が右折してきて、横断歩道を通り過ぎて、横断歩道の近くを渡っていた歩行者をはねた場合には、別冊判例タイムズ38号の【24】によって、「自動車90:歩行者10」と、歩行者にも10%の過失が認められます。

そこで、自動車の運転手が、「歩行者が横断歩道を歩いていなかったから、発見するのが遅れたのだ!」と主張し、歩行者は「自分は横断歩道を歩いていた!」と主張した場合、そもそもどの表を適用するかということが争いになります。

このようなときには、話し合いで過失割合を決められないことも多く、裁判になることもあります。

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過失割合の修正要素って何?

別冊判例タイムズ38号に掲載されている過失割合は、基本の割合です。交通事故はその事案ごとの事情もありますから、その個別の事情は、修正要素として考慮されます。

例えば、上記の別冊判例タイムズ38号の【24】では、基本の過失割合は、「自動車90:歩行者10」です。

この交通事故が夜間に起こった場合、歩行者に過失割合が「+5」になりますので、「自動車85:歩行者15」になります。

これは、夜間であれば、横断歩道上を歩いていない歩行者を見つけるのが容易ではないであろうと考えられるからです。

一方、この事故現場が住宅街・商店街であれば、歩行者の過失割合が「-5」になりますので、「自動車95:歩行者5」になります。

これは、住宅街や商店街であれば、横断歩道のないところでも横断をする人が多く、横断歩道の外を横断する人がいることも予見しやすいからであると言えます。

【24】には、この他にも過失割合の修正要素がありますし、他の表もその特性に応じた修正要素とその割合が決められています。

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過失割合で損をしないために知っておきたい知識

保険会社が、「この事故の場合の過失割合はこれです」と言って、過失割合を提示してきても、それが正しいとは限りません。保険会社が、単純に表の適用を間違っていることもありますし、加害者の主張する交通事故の態様を基にして、適用する表を決めていることもあるからです。

上記のとおり、交通事故の態様の主張が違えば、適用する表も違うものになりますし、表は同じでも、過失割合の修正要素の有無で争いになることもあります。

そこで、保険会社の過失割合の主張を鵜呑みにしないことが大切です。

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過失割合に納得できなかったらどうすればいい?

保険会社から示された過失割合に納得できなければ、交通事故の法律相談などで、自分の事故に関して適用される表は合っているのか、修正要素はないのかなどを聞いてみましょう。

被害者と加害者とで事故態様に関する言い分が違い、保険会社と示談解決が難しい場合には、交通事故紛争解決センターや民事調停などを利用して話し合いをすることも考えられます。

それでも話し合いがまとまらなければ、最終的に過失割合を決めるのは、裁判官ですから、訴訟提起をするしかありません。

双方の主張の隔たりが大きく、話し合いで解決の見込みが少ないと考えられるときは、交通事故紛争解決センターや民事調停などを経ずに訴訟提起をする方が、早期に解決することもあります。

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過失割合についてのまとめ

過失割合については、基本的な表があるとはいえ、その適用には、いろいろと問題があります。過失割合が5%変わるだけでも、受けとることのできる損害賠償額は大きく変わります。過失割合に関して問題がある場合には弁護士に相談した方が良いでしょう。

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アヴァンセドットコム 掲載日:2018/3/28
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